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移動平均線の仕組みと傾きと位置関係を使った分析法

移動平均線の仕組みと傾きと位置関係を使った分析法

移動平均線の仕組みと傾きと位置関係を使った分析法

EMA(Exponential Moving Average)指数平滑移動平均線

【加重移動平均WMA :Weighted Moving 移動平均線の仕組みと傾きと位置関係を使った分析法 Average】
加重移動平均は、個々の価格データへの加重を「線形的」に減少させて、平均値を計算します。
10日加重移動平均は、直近の価格データを10倍し、その前日の価格データを9倍し、10日前の価格データは、1倍し、合計を55で割ることで算出します。

特徴1
最新の価格を2倍することで重視し、N日間の価格の影響も約86%を残ります。それ以前の過去の数字の影響は、単純移動平均線では、全く無くなりますが、わずかに残っており、徐々に消滅していきます。
特徴2
単純移動平均線に比べて、振幅が小さく、反応が早いため、トレンドの分析では、転換点を早めに認識することができます。

使い方のポイント

指数平滑移動平均線では、当日の平均値は、「前日の平均値」と「当日の終値」の間にあります。
指数平滑移動平均線が上向き⇒価格は指数平滑移動平均線の上に位置している
指数平滑移動平均線が下向き⇒価格は指数平滑移動平均線の下に位置している

指数平滑移動平均線は「MACD」「ATR」に応用されています。
チャートは、赤線が「指数平滑移動平均線」、青線が「単純移動平均線」です。
「指数平滑移動平均線」の方が、相場変動に対する感応度がやや高くなっています。

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テクニカル分析辞典

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放射線治療の種類と方法

図5 放射線の種類の図

IMRTとは、放射線治療計画装置(専用コンピュータ)による最適化計算により、がん組織には高い放射線量を与え、さらに隣接する正常組織には放射線量を低く抑えることを可能にした治療方法です。マルチリーフコリメータ(MLC: Multi Leaf Collimator)と呼ばれる照射する範囲を調整する装置を用いて(図6)、がんに対して理想的な放射線量で多方向から放射線を照射することにより、がんの形状に一致した部分へ集中性の高い線量を照射します(図7)。
このIMRTを、回転させながら行う強度変調回転放射線治療(VMAT:Volumetric Modulated Arc Therapy)という方法もあります。
また、IMRTに特化した専用の放射線治療装置として、トモセラピー(Tomo Therapy)があります。

図6 マルチリーフコリメータ(MLC)の図

図7 強度変調放射線治療(IMRT)の照射イメージの図

トモセラピーとは、IMRTの専用機として開発された放射線治療システムです。トモセラピーは、CTで用いるドーナツ型の輪(ガントリー)の中に、小型のリニアックと、画像を取得する装置を一体として組み込んでいます。これにより、それ以前では不可能とされてきた、広範囲かつ線量集中度の高いIMRTが実施可能になりました。トモセラピーの利点は、脳と 脊髄 せきずい の同時照射、リンパ腫の広範囲照射、全身に転移した広範囲の照射、骨髄移植前の全身照射などを、強弱を付け最適化された放射線によって一度に照射できることです。

4)定位放射線治療(SRT: Stereotactic Radiation Therapy)

定位放射線治療(SRT)とは、病巣に対し多方向から放射線を集中させる方法です。定位照射、ピンポイント照射とも呼ばれます。通常の放射線治療と比較し、周囲の正常組織にあたる線量を極力減少させることが可能です。1回照射で終わる場合を特別に定位放射線手術(SRS: Stereotactic Radiosurgery)といい、小さな病巣に有効な治療法です。

図8 ガンマナイフにおける照射の仕組みの画像

ガンマナイフは、主に、動静脈奇形、 聴神経鞘腫 ちょうしんけいしょうしゅ をはじめとする脳内の小さな良性病変の治療において、優れた成績をあげています。また、転移性脳腫瘍に対しても利用されます。必要に応じて、リニアックによる全脳照射との組み合わせが検討されます。
また、リニアックを用いても、架台や治療ベッドの回転を組み合わせて放射線を照射することにより、ガンマナイフと同等の放射線集中効果を得ることができます。リニアックを用いた定位的放射線治療がガンマナイフと異なる点は、分割照射が容易に行える点にあります。最近では、小型のリニアックを搭載した定位照射に特化した装置も普及し始めました。その1つが、サイバーナイフ(Cyber Knife)です。

図9 サイバーナイフの装置の図

図10 サイバーナイフにおける照射イメージの画像

5)粒子線治療(陽子線治療・重粒子線治療)

これに対して、陽子線は、体内に入っても表面近くではエネルギーを放出せず、停止する直前にエネルギーを放出して大きな線量を組織に与える性質があります。これを発見者の名をとって「ブラッグ・ピーク」と呼びます。病巣の深さや大きさに合わせて、このピークの深さや幅を調整することで、病巣のみに効率よく線量を集中し、正常組織への線量を少なくします。
なお、実際のがん病巣は深さ方向に厚みがあります。そのため、粒子線をがん病巣に一様に照射するために、ブラッグ・ピークを重ね合わせて深さ方向の線量分布が一様な領域を形成するように照射します。このように、一様に広げられたビームの形を拡大ブラッグ・ピーク(SOBP: Spread-Out Bragg Peak)と呼びます(図11)。

図11 拡大ブラッグ・ピーク(SOBP)の図

6)画像誘導放射線治療(IGRT: Image-Guided Radiotherapy)

4.治療の方法:内部照射

1)密封小線源治療(組織内照射、腔内照射)

密封小線源治療は、放射線が強く照射される範囲が、がん組織やその周囲に極めて限定的であるため、がんを治す確率が高く、しかも副作用が少ない治療法です。一般的には小さながんに効果が高い治療法です。外部照射と組み合わせて使われることもあります。
長時間治療する方法を、時間あたりの線量が低いので低線量率と呼び、短時間治療する方法を高線量率と呼びます。最近は、高線量率小線源遠隔後充填法であるラルス(RALS: Remote After Loading System)が多くなっています。多くの放射線源は一時的に体内に挿入し、治療が終了すると抜去しますが、粒状の線源である金、ヨードでは刺入したままにしておきます(永久刺入)。永久刺入された場合は、体から出る放射線が周囲の人に危険のない範囲に下がるまでの数日間、患者さんは放射線を遮蔽する部屋に隔離されます。体に影響のない材質を用いており、照射される放射線量も徐々に減少することから、体外へ取り出す必要がなくなります。

図12 子宮頸がんへの密封小線源治療の例の図

なお、密封小線源治療では、正面と側面の2方向のレントゲン写真を用いて治療計画を立てます。しかし、外部照射の場合と同じで、コンピュータの進歩により、CTやMRIの画像を利用して、今日の患者さんの状態を反映した治療を行うことができるようになってきました。これを画像誘導小線源治療(IGBT: Image-guided brachytherapy)といいます。

第1回 「移動平均線」編

「移動平均線」とは、過去の一定期間の終値の「平均値」を計算し、その値をつないだライン(線)のことです。たとえば「5日移動平均」といえば、今日を含んだ過去5日間の終値の平均を算出したものになります。
翌日になると、その日を含む過去5日間の終値の平均を算出します。その次の日、さらにその次の日も同様に算出します。 移動平均線の傾きが上向きなら「上昇トレンド」、下向きなら「下降トレンド」と判断できます。また、現在の価格が移動平均線より上にあれば「上昇トレンド」、下にあるときには「下降トレンド」を示していると読み取ることもできます。

「短期線」「中期線」「長期線」を組み合わせてトレンドをつかむ!

「移動平均線」は、平均する日数に応じて短期線、中期線、長期線に分類して使います。設定期間が短いほど直近の価格により近くなり、逆に、期間が長いほど長期的な流れを示すという性質があります。この性質を利用し、大きく3つの線「短期線」「中期線」「長期線」に分けてそれぞれを組み合わせることでトレンドをつかむ方法です。
平均する価格の数は、確認したいトレンドの期間をもとに営業日ベースで求めます。例えば、中期的な視野で取引する場合は日数単位で価格を計る「日足」を使い、短期を約3週間分の「15日」、中期を約5週間分の「25日」、長期を約15週間分の「75日」などに設定します。また、長期的な視野で取引する場合は週単位で価格を計る「週足」を使い、短期を「13週(約3ヵ月)」、中期で「26週(約半年)」、長期で約1年にあたる「52週」などといった設定をおこないます。このように、それぞれのトレードに合わせて設定を変えて使います。

移動平均の設定方法


[メイン画面]


[ツールバー]

(2)移動平均の設定方法

『MarketSpeed - 環境設定』画面にて、「プロパティ1」のタブを選択してください。
「移動平均」のチェックボックスにてチェックされた移動平均を表示いたします。
分足移動平均、計算日数等の指定は日足1~200日、週足1~100週、月足1~100月(ヵ月)、分足1~150本の範囲で設定してください。

移動平均線で相場の流れを分析!

買いの「ゴールデンクロス」、売りの「デッドクロス」

短期の移動平均線が上昇トレンドで、中・長期の移動平均線を下から上に抜けたときが「ゴールデンクロス」。逆に短期の移動平均線が下降トレンドで、中長期の移動平均線を上から下に抜けたときが「デッドクロス」となります。
ゴールデンクロスが現れると通常相場が「強気」であることをあらわし、一方デッドクロスが現れると通常相場が「弱気」であると判断できます。
ただし、もみ合い相場での「ダマシ」には注意が必要です。
移動平均線は大きなトレンドが出る、いわゆる「大相場に強い」といわれていますが、その一方、特にゴールデンクロスやデッドクロスによる分析の弱点として有名なものに、「もみ合い相場に弱い」ということが挙げられます。「もみ合い相場」には、上昇もしくは下落の大きな流れが存在していませんので、価格が平均値の近くをウロウロと漂いつづけます。移動平均線は過去の平均を計算して算出することから、買いや売りのサインは少し遅れて出てきます。もみあい相場の中では、そのタイムラグによって売りどきなのに「買いサイン」が、買いどきなのに「売りサイン」が出るなどして、反応にズレが生じやすくなります。こうしたシグナルのズレを「ダマシ」と言います。相場の方向性を見誤るものとして、注意が必要です。

7: 知覚・認知の情報処理

コンピュータというハードウェアの内側では,ソフトウェアプログラム)が動いていて,プログラムは「アルゴリズム」と呼ばれる処理手順に従って情報を処理することでいろいろな課題を解いていきます。コンピュータの世界では,このアルゴリズムは下の図の右にあるようなフローチャートと呼ばれる流れ図で表したりできるのですが,人間の心の中でもこのような手順に従った情報処理がなされていると考えるわけです。そうすれば,直接は中を覗けない人間の心の内側で行われていることも,「情報処理」という観点から理解できると考えたのですね。

鋳型照合モデル

カメラでとらえた文字パターンを自動認識してくれるコンピュータプログラムを作りたいとします。そのときに思いつくもっとも単純な方法のひとつが「パターン・マッチング」という,パターンを鋳型と照合する方法です。この方法では,まず,コンピュータの内部にあらかじめ文字のパターンをデータとしてもっておきます。これを「鋳型」(テンプレート)と呼びます。カメラで文字パターンをとらえたら,それを鋳型と照らし合わせて「どのくらいマッチするか」を調べるのです。下の図は,ナイサーの本で紹介されていた鋳型照合の図をネットで見つけたものです。左にあるInputが入力された画像,右にあるTemplateが鋳型です。Aの文字の入力パターンはAの鋳型にはぴったり合います(a)。それに対してLのパターンはAの鋳型には合わず(b),Lの鋳型には合う(c)…というわけです。得られたパターンと鋳型の間で単に相関を求めればマッチする程度を評価できるので,これなら簡単にプログラムが作れます。ですが,このやり方には問題もあります。たとえば,Aのパターンの位置がずれているだけで,鋳型に合わなくなります(移動平均線の仕組みと傾きと位置関係を使った分析法 d)。大きさが違っても(e),右に傾いたり(f),左に傾いていても(g) 合いません。また,フォントの形が違っても鋳型に合わない(h)という問題ももってしまいます。簡単なのですが,応用が効かないわけです。数字の認識程度でしたら,0から9までの10種類しかパターンがないので,この鋳型照合でも使い物になるのですが,手書きの漢字をこれで認識しようとすれば,膨大な数の鋳型を用意しておかなければならないことになってしまいますし,認識精度もあがりません。

特徴分析モデル

鋳型照合のようなやり方はプログラムを作るのは簡単なのですが,どうも人間はこんなやり方はやっていなさそうです。そこで,考えられたのが特徴分析モデルです。セルフリッジ(Selfridge, O. G.)という研究者が考案したこのモデルでは,脳の中に住む小悪魔(デーモン)たちがパターンを分析して決定するまでを絵にした下の図が有名なので,「パンデモニウムモデル」とも呼ばれます(パンデモニウムとは「伏魔殿」という意味です)。この図では,まず左側にいるイメージデーモンがパターンをとらえます。このイメージデーモンは,後の授業で出てくる視覚の感覚記憶です。その後,イメージデーモンがとらえたパターンのデータは大脳皮質での信号処理を受けて(cortical signal processing),特徴デーモンに渡されます。特徴デーモンは,得られたパターンの中の特定の特徴を検出します。図の上から,垂直線が1本,水平線が2本,斜め線分が1つ,直角が3つ,鋭角はなし,不連続曲線が1つ,連続曲線はなしと,それぞれの特徴を検出してその結果を特徴デーモンたちは指し示しているわけです。この特徴デーモンの様子を認知デーモンが見ていて,自分の特徴らしき分析結果が出てくると「おいらじゃないか?」と騒ぎ立てます。昼寝をしている認知デーモンもいる一方で,DやPやRが騒いでいるところが描かれています。この様子を一番右側にいる決定デーモンが見ていて,一番騒ぎ立てているパターンをとらえて,最終的に今見ているパターンを決定するという仕組みが描かれているわけです。

現在,機械によるパターン認識には,ディープラーニング深層学習)という機械学習の手法が用いられていて,これによって飛躍的にパターン認識の精度が高まりました。実際,視覚認識においては,今や,コンピュータの方が人間よりも正確に人の顔などを識別できる時代になっています。ディープラーニングでは,得られた画像を入力層に渡した後,それを何層かにわたる自己符号化器(オートエンコーダ)という情報圧縮器によって特徴表現を検出させることで,高次の特徴量を検出させる仕組みになっています。下位の層がとらえた特徴を,上位の層が見てさらにそこに特徴を見出すというやり方,これはまさに私たちの脳がやっていることなのです。

ボトムアップ処理とトップダウン処理

特徴分析モデルのようなパターン認識では,データとして得られた刺激の特徴を分析することで,見ているパターンが何であるかが決定されます。このように,データに含まれる特徴を積み上げていくことで最終的な出力を得るような情報処理のやり方を「ボトムアップ」処理といいます。それに対して,私たち人間は,夜道で怖いと思っていると柳の枝が幽霊に見えるというような例え話にあるように,知識や経験などによって,認知が影響されることが少なくありません。

それを体験してみましょう。まず,下の図を見てみてください。何に見えますか?(回答は少し下にあります)

はい,「ネズミ」ですね(次の問題は少し下にあります)。

では,次の図は何に見えますか?(回答は少し下にあります。)

2つ目の図は,「人の横顔」に見えましたか?

そんなことはなかったと思います。2つ目もおそらく「ネズミ」にしか見えなかったのではないでしょうか。

それでは,今度は次の図をしっかり見てください。これはどう見ても「人の横顔」ですね(少し長めにこの絵を見つめてください)。

これは「多義図形」を使ったトップダウン処理のデモンストレーションです。私たちの脳は,複数の解釈が可能なあいまいな図形を認知するとき,先に経験したものを見ようとするのです。

私たちは,データである入力刺激(視覚パターン)だけによってパターン認知を行っているわけではありません。すでにもっている知識や,過去の経験,期待などによって,パターン認知の結果は左右されるのです。これを「トップダウン」処理と呼びます。これによって,私たちはときに思い込みによる勘違いをするかもしれませんが,仮説をもって認知を行うことで,認識に関する複雑な情報処理を おそらくは より効率的に行うことができるようになっているのではないかと考えられます。

下の図に示すのは,パターン認知における文脈効果と呼ばれる現象です。これを見ると「THE CAT」と書いてあるように見えますが,THEのHと,CATのAには同じパターンが使われています。より高いレベルの単語に関する知識が,低いレベルの文字の認知を左右していることがわかります。

次の図では,上の段は「A B C」と書いてあって,下の段は「12 13 14」と書いてあるように読めるでしょう。しかし,ここでも「B」のパターンと「13」のパターンには同じパターンが使われています。前後の文字がアルファベットか数字かでパターン認知の答えが変わっていることがわかります。

情報処理の観点から知覚や認知について考えるときに,重要な働きをもつ心理機能に「注意」があります。

注意は,ひとつには,人間の全体的な覚醒水準を高める効果があります。注意が高まった状態では,人は眠くなることはありませんし,いろいろな変化に素早く気づいたり,小さな刺激に敏感になります。このような持続的な注意の働きを「ビジランス」と呼び,航空管制や産業検査などの監視作業などを行う際に重要な要因として古くから研究が行われてきました。

注意のもうひとつの重要な役割に「情報の選択」があります。私たちは,たくさんの情報に囲まれて生活していますが,膨大な情報のすべてをいつも認知しているというわけではありません。街の雑踏をあるいているときも,すれ違うすべての人の顔を見て,知り合いかどうかチェックしながら歩いているわけではありませんよね。しかし,街中で誰かと待ち合わせしているとき,その相手を見つけたなら,その人の顔は群衆の中で浮かび上がったように知覚されます。その時,周りの人々の顔も同様に目に映っているはずですが,それらは意識されることさえありません。注意は,たくさんの情報の中から,一部の情報だけを選択する働きがあるのです。このような注意の機能をさして,認知心理学では「選択的注意」という用語がしばしば用いられます。

チェリー(Cherry, E. C.)という研究者は,選択的注意の働きを「カクテルパーティ効果」(カクテルパーティ現象)と呼びました。多くの人の声が混ざり合って聞こえるパーティ会場でも,私たちは,特定の話し相手に注意を向けることで,その人の声を聞き取って会話をすることができます。その時,関係ない人々の声は無視されて,意識に上ることさえありません。しかし,そんなときでも,誰かが自分の名前を呼んだりすると,気づくことができる場合も多いのですね。注意していない声は,どこまで処理されているのでしょうか?

これを調べるために,チェリーは「両耳分離聴」(dichotic listening)と呼ばれる課題を使った実験を行いました。両耳分離聴課題では,ヘッドホンの左右から違ったメッセージが提示され,実験参加者は,その一方に注意を向けるように指示されます。注意を向けていることを確認するために,一般的に参加者は,注意した耳から流れる文章を追唱することが求められます。こうやって両方の耳に異なるメッセージを提示した後,注意していない側のメッセージについて,内容を尋ねても参加者は答えることができません。つまり,認知されていないわけです。しかしながら,男性の声から女性の声に変わったり,人の声から純音などに変化すると,その変化には気づくことができます。このような結果から,チェリーは,注意されていないメッセージは,物理的なレベルでは処理されるが,意味的なレベルまでは処理されないと結論しました。

両耳分離聴課題1(男性声&女性声)

両耳分離聴課題2(同じ女性声のもの)

注意による処理の促進と抑制

選択的注意は,注意された対象については促進的に処理を行います。その一方で,非注意対象の処理は抑制的な影響を受けます。この,処理の促進と抑制は,反応時間を測ることによって,実験的に評価することができます。視覚的注意を使った実験を例に説明しましょう。

ポズナー(Posner, M. I.)という研究者は,視覚における注意は「スポットライト」のようなものだと提唱しました(注意のスポットライト説)。暗がりでライトをつけると,照らされたところはしっかり見えてその部分の情報は処理できるのですが,光の当たらないところは逆に暗くて何があるのかさえわかりません。ポズナーが使った実験課題は,注意による促進利得,benefit)と抑制損失,cost)を調べることができるので,「ポズナー課題」とも呼ばれます。

下のビデオは実際にポズナー課題を使って実験を行っている画面です。参加者は,画面にある3つの枠の左右に出てくる赤あるいは緑の刺激に対して,手元のボタンの左右をできるだけ速く正確に(間違えないように)押して反応します(赤なら左ボタン,緑なら右ボタンというように)。そのときの反応時間を測定するわけです。刺激が出る前に,中央の枠に矢印か※印が提示されるのがわかりますか。これは「手がかり」と呼ばれる刺激です。※印のときは,左右の枠のどちらに刺激が出るかは50%ずつの確率なのですが,矢印が提示された場合は,矢印の側の枠に75%の確率で刺激がでます。できるだけ速く反応しなければならない参加者にとっては重要な情報です。サッカーのフリーキックでのキーパーを想像してみてください。キッカーが4回中3回は「こっち側に蹴る」とわかっていたら,そちらにヤマを張っておけば速く反応できますよね。それと同じ状況ですから,参加者は矢印の側に注意を向けます。そうやって,矢印の側に刺激がでる条件を「手がかり有効」試行と言います。でも,逆に言えば,4回中1回は矢印の逆側に刺激がでるので,キーパーはヤマを外されることになります。この条件を「手がかり無効」試行と言います。※印のときはどちらに出るかわからないので,参加者はヤマを張れません。この条件を「中立」試行と言います。

実際の実験結果を見てみましょう。この結果は,みなさんたちの先輩が卒論研究で収集した大学生95名の平均反応時間データです。手がかりが中立の条件(※印)に比べて,刺激が矢印側に出た手がかり有効条件では反応時間が短縮し,刺激が矢印と逆側に出た手がかり無効条件では反応時間が遅延していることがわかります。量的にはわずかですが,統計的に十分有意な差です(有意確率で言えば0.0001以下でした)。これが,注意による促進効果(利得)抑制効果(損失)です。

上の実験では,参加者の注意を矢印の手がかりによって操作しました。参加者は,矢印側に高確率(75%の割合)で刺激がでることを知っていたので,意図的に注意を矢印側に向けたわけです。これは,意図という参加者の内的な要因によって引き起こされた「内発的」な注意の移動と言えます。

これに対して,私たちは,何かが不意に目の前に現れるなど,視野内の変化に対して反射的に注意を向けることがあります。こちらは,内的な意図ではなく,外的な刺激による 自動的で「外発的」な注意の移動です。下のビデオは,同じ実験を外発的な注意の移動を使って行ったものです。この実験では,刺激が出る150ミリ秒前から,50ミリ秒間,3つの枠のうちのひとつがぴかっと光ります。光る枠はランダムなので,刺激の位置の手がかりにはなりません。参加者には「枠が光るけれども,刺激が出る場所とは無関係なので無視してください」と教示します。参加者は,実際,枠が光るのはほとんど気にならないと言いながら実験をしてくれます。この実験では,真ん中の枠が光る条件を手がかり「中立」試行,刺激が出る側の枠が光った条件を手がかり「有効」試行,刺激と逆側の枠が光った条件を手がかり「無効」試行とします。

下の図に示す結果を見ると,参加者は,光る枠を無視したのですが,光った枠に刺激が出ると速く反応ができて,光った枠と逆側に刺激が出ると反応が遅くなっていることがわかります。このように,私たちの注意は,外的な刺激変化によっても移動させられ,それは自動的に起きるので無視することができないのです。でもこれは,自動車の運転中などに急に飛び出してきたボールに素早く対処したりするためには,重要な仕組みなのです。

初期選択説 対 後期選択説

両耳分離聴課題において,注意を向けていない刺激は物理的な変化は検出できても,意味の理解はなされません。ブロードベント(Broadbent, D. E.)という研究者は,注意は,テレビのチャンネルを切り替えるように,通す情報と通さない情報を取捨選択する フィルタのような働きをしているのだと考えました。この考えは「フィルタモデル」と呼ばれ,情報処理の早い段階で注意が情報を選択しているという「初期選択説」として知られます。

これに対して,ドイチら(Deutch, J. A. & Deutch, D.)は,選択的なフィルタを仮定せず,感覚受容器に入力されたすべての情報は意味レベルまで処理されていて,選択が行われるのは反応選択時であるという「後期選択説」を主張しました。意味的に重要であれば,非注意情報も意識されると考えたのです。両耳分離聴課題において,非注意刺激の中に自分の名前が含まれていると3割くらいの人が気づくと言われているのですが,意味的処理も行われているとするならば,このような結果を説明することができます。

他にも,トレイスマン(Treisman, A.)は,非注意情報は完全に遮断されるのではなく減衰されているので,ある程度は処理されているという「減衰モデル」(マイルドな初期選択説)を提唱したりしています。

特徴統合理論

減衰モデルで知られるトレイスマンは,視覚探索課題という,昔流行った「ウォーリーを探せ」のような課題を使った実験を通して,注意が対象を知覚するために非常に重要な働きをしていることを示しました。

私たちの身の回りにあるさまざまな対象は,色や形,大きさなどさまざまな次元の特徴を併せもっています。彼女が提唱した「特徴統合理論」では,私たちの注意は,これら複数の次元の特徴を結びつける「のり」の働きをしているというのです。視覚探索課題では,「ターゲット」と呼ばれる標的刺激を,「ディストラクタ」と呼ばれる妨害刺激の中から探して,ターゲットが「ある」か「ない」かをできるだけ速く正確にボタン押しで答えます。そのときの反応時間を調べるのですね。下の図では,ターゲットは「左斜めに傾いた黒い棒」なのですが,方向だけで探すときや(A),色だけで探すときは(B),ひと目見てそれがあるのがわかります。このようなときは,「ポップアウト」といって,周りとは特徴が違うターゲット刺激が飛び出して見えるように知覚されます。それに対して,ターゲットとディストラクタが方向と色の組み合わせで定義されるときは(C),ターゲットがどこにあるのか,私たちは注意を使って画面内をスキャン走査)しなければわかりません。

線運動錯視

線運動錯視」は,初期選択どころか,注意が,ものが見え始めるまでの時間さえ変える力をもっているということを示した現象です。まずは,下の最初のビデオを見てみてください(このデモンストレーションは,スマホのような小さな画面ではわからないかもしれません)。黒い画面の中の「+」は凝視点ですが,今回は実験ではないので,これを見ても見なくても構いません。ただ,凝視点の上に水平の線分が一瞬出てくるので,それに注目してください。この線分は,線分の全体を同時に提示して,50ミリ秒経ったら,同時に消していますが,全体が同時にパッと出て,全体が同時にパッと消えるように見えるでしょうか? 線分がなにかどこかから見え始めて,びよーんと伸びては,どこかから縮んで消えていくように見えませんか? 移動平均線の仕組みと傾きと位置関係を使った分析法 ある程度の長さがあると,線というのは,同時に出たり消えたりするようには見えないようなのです。

変化盲(チェンジ・ブラインドネス)

注意が向いていないと処理が抑制されたり,意味的な内容がわからなかったりするけど,大きな変化があれば,人間は必ずそれに気づくはずと考えられていましたが,1990年代後半になって,いやいやそんなことないよという研究がブームになりました。そこで研究対象となった現象は「チェンジ・ブラインドネス」と呼ばれ,無理やり日本語に訳すと「変化盲」とか「変換盲」と書いてある本が多いかな。日本では,脳科学者の茂木健一郎さんが「アハ体験」といってテレビでたくさん紹介したので,そちらの言葉の方が一般には有名かもしれません。

【経済】 「価格と需要・供給の関係」のグラフの見方

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対応機種
iPad(第4世代)、iPad 移動平均線の仕組みと傾きと位置関係を使った分析法 Air、iPad Air 2、iPad mini 2、iPad mini 3、iPad mini 4
  • OS : iOS8.3以上。
  • 容量 : 8GB程度を想定。
  • 2016年2月時点。
  • 以下の端末ではお使いいただけません。
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    (チャレンジパッド、チャレンジタブレット、チャレンジタブレットネクスト)
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  • iPadの機種、価格、内容等は変わることがあります。
  • <ハイブリッドスタイル>で使用するiPadは、「進研ゼミ」以外のアプリにも接続できるタブレットです。インターネット接続・アプリ利用等の制限については、保護者の管理・判断のもとご利用ください。

※1 2015年9月「進研ゼミ」をご受講中の中学1年生〜3年生の927人のアンケートより。「ほぼ全部使っている」と答えた方228人のうち設問に対して「とてもそう思う」+「まあそう思う」と答えた人の割合。
※2 2016年4月時点の3学年合計の在籍数をご紹介しています。

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